世界の投資関連ニュースを独自視点でお伝えしています。

イエレン議長、9月利上げの選択肢残す講演か-注目される26日の発言

2016.08.25

イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が選択肢を残しておくのに、これほど素晴らしいタイミングはこれまでなかったろう。
  このため、議長が26日にワイオミング州ジャクソンホールの年次シンポジウムで講演を行う際には恐らく、来月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが決定される可能性を残しつつ、そうした行動を確約していると解釈されないような表現で米経済を描写することになるだろう。
  いずれにせよ、今週ジャクソンホールに集う世界の主要中央銀行にとって、9月は重要な時期だ。主要中銀は金利をゼロ近く、あるいはマイナス圏に引き下げても、世界の成長押し上げに手こずっている。そうした中、日本銀行はこれまでの金融政策の「総括的な検証」を9月にまとめる予定で、欧州中央銀行(ECB)は欧州連合(EU)離脱を選んだ英国民投票の影響を検証し追加緩和による対応が必要かを協議するもようだ。

  カンザスシティー連銀が主催する25ー27日のシンポジウムのテーマは「将来に向けた弾力性のある金融政策フレームワークの設計」で、イエレン議長の講演の正式題目は「金融政策のツールキット」。
  昨年は参加しなかったイエレン議長は、経済成長が上向き完全雇用に近い現状下で、6月の議会証言以来初めて公式に発言する機会を生かし、政策金利は上がる方向であるとの見方を強調する意向かもしれない。

  コロンビア大学で経済学を教えるエコノミスト、マイケル・ウッドフォード氏はイエレン議長について、「行動する準備が整っているとの決定的なシグナルを与えずに、9月に動く選択肢を残しておきたいだろう」と述べた。米金利先物動向によれば、年内利上げの確率は50%強。

  7月26、27両日開催されたFOMCの議事録によると、追加利上げの緊急性をめぐり意見が割れた。一部はインフレの抑制が続いていることから待つのが望ましいとした一方、労働市場が完全雇用に近い状態だとして早期の利上げを主張する当局者もいた。次回FOMCは9月20、21両日。
  FRBのフィッシャー副議長は今月21日、 米経済が既に金融当局の掲げる目標の達成に近づいており、成長が今後勢いを増すだろうと述べた。この見方をイエレン議長は踏襲する可能性がある。
  米連邦準備制度のエコノミストだったジョンズ・ホプキンス大学のジョナサン・ライト教授(経済学)は「イエレン議長は9月に行動する選択肢を排除したくはないだろう」とした上で、「9月にやる公算が大きいと市場を納得させるには強いシグナルを発する必要があるが、議長はそれもしたくないだろう」とも述べた。
日欧
  ECBのドラギ総裁は2年連続でシンポジウムを欠席する。14年の出席時にはユーロ圏で量的緩和を始めるキャンペーンを加速させた。クーレ理事が今年参加するが、9月8日の定例政策委員会を前に経済に対する見方に注目が集まりそうだ。
  日本でも今後の中銀行動が注視されている。日銀の黒田東彦総裁は総括的な検証を9月にまとめることを明らかにしており、金融政策が限界に達したのではないかとの見方が投資家の間で浮上した。エコノミストらは緩和縮小どころか、それとは逆に動くとみる中で、日銀の次回政策決定会合は9月20日に始まる。

関連記事

アーカイブ