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謎の投資グループの実態は

2016.09.21

若者たちがホテルでパーティなどを楽しんでいる「リッチな生活」の写真をソーシャルメディアに投稿し、「人生を変えるには一歩踏み出そう」などと金融商品への投資を呼びかける「謎の投資グループ」があると、ネットで話題になっています。高額な情報商材を買わされたと非難する声も上がっており、取材を進めています。
「成功するには投資を」呼びかけ
ツイッターなどに投稿された写真をみると20代くらいの男女がパーティーを楽しんでいる様子や、身につけたブランド品、値段の高そうな料理など、いずれも「お金をかけた生活」を前面に押し出している印象です。

そして、こうした生活ができるのは「バイナリーオプション」という金融商品で稼いでいるためだと説明し、「人生を変えるには一歩踏み出さなければ」「失敗をおそれるな」などと言って投資をすすめるメッセージが繰り返し書かれています。

彼(彼女)らは「投資で成功する方法を教えます」と書いていますが、ツイッターには、彼らのことを、バイナリーオプションという言葉にかけて「オプザイル」などとよんで、非難する投稿もありました。そもそもバイナリーオプションとは、どのような金融商品なのでしょうか。
投機性高いと金融庁が規制
バイナリーオプションについて調べたところ、アメリカドルやユーロなどの外国通貨の相場が、単純に現在より高くなるか低くなるかを予想する金融商品のことでした。数分後の値上がりや値下がりを予想する商品もあり、投機性が高いとして、金融庁は3年前の8月に投資家を保護するための規制を行っています。

日本国内でバイナリーオプションの商品を販売するには、金融商品取引業の登録が必要ですが、インターネットで取引ツールを提供する無登録業者もいるため、金融庁は「無登録の海外所在業者は、業務の実態等の把握が難しく、仮にトラブルが生じたとしても業者への追及は極めて困難です。契約は行わないでください」と注意喚起をしています。
相談や苦情内容に変化が相談や苦情内容に変化が
続いて国民生活センターに取材したところ、バイナリーオプションの取引をめぐる相談が寄せられていました。相談件数は3年前の2013年には15件でしたが、おととしは1350件と、100倍近く急増しています。

相談内容は、これまでは「海外の業者が運営する口座に投資金額を入金して、利益が出ているのに引き出せない」など資金の引き出しをめぐるトラブルがほとんどでしたが、去年から変化が見られるということです。バイナリーオプションでもうける方法を教える「情報商材」の相談が急増しているというのです。

国民生活センターに先月相談した30代の男性は、バイナリーオプションをしているという人のブログを見て興味を持ち、SNSで連絡を取りました。「必ずもうかる」とまでいわれ、情報商材の代金として30万円を入金。郵送で届いたUSBメモリーには「支援ソフト」なるものが入っていましたが、支援ソフトのやり方にそって取り引きをしたのに利益は全く上がらなかったということです。

去年12月に相談した20代の女性も、ソーシャルメディアで知り合った人に「バイナリーオプションはもうかる」と誘われ、マニュアルとツールが入っているというUSBメモリーの購入をすすめられたということです。女性が「お金がない」というと消費者金融で借りるようすすめられ、結局、この女性は50万円借り、30万円でUSBメモリーを購入したということです。しかし「本当に利益が上がっているのかどうか自分でも分からない」とのことでした。

このような情報商材をめぐる相談は去年から急に増えて、これまでに少なくとも数十件寄せられているということです。国民生活センターでは、「バイナリーオプションという金融商品の知名度が上がってきたことに乗じて、情報商材を販売する者が出てきたのでは」と指摘したうえで、「”必ずもうかる”という現実的にありえない言葉で誘う個人や業者には警戒してほしい」と呼びかけています。そのうえで、もしトラブルになってしまった場合は、諦めずに近くの消費生活センターに相談してほしいと話していました。

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