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英語を話せる人は毎日「何を読んでいる」のか 「挫折しづらいもの」が最強の英語教材だ

2017.01.24

これからは、英語が不可欠だ。
そう言われ始めてから、はたしてどれくらいの時間が経っただろうか。中学校・高校だけでも、多くの日本人は1000時間以上、英語を勉強している。しかし、「英語を話せる日本人」は、なぜいまだにこれほど少ないのだろうか。
大前研一監修、ビジネス・ブレークスルー大学編の新刊『プロフェッショナル イングリッシュ』が刊行された。執筆者の1人である青野仲達氏に「挫折しないための英語学習法」を解説してもらった。



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以前掲載した「英語を話せる人は何を『音読』しているのか?」という記事では、「英語を話せる人」になるための有効な方法として、「自分が書いた文章の音読」をご紹介しました。

自分の考えを整理して書き、それを音読する習慣ができれば、自分の「英語を創り出す」サイクルが回り始めたことになります。このサイクルを加速させるものは、効率のよい「英語情報の受容」、すなわちインプットです。

自分で発信するようになると、受信の精度も向上します。英語を書く側の心理や手法がわかるので、英語を読む際の勘所がつかめるようになるからです。また、エンジンが回り始めているので、エネルギーの補給も必要になります。

このような状態ができあがれば、スポンジが水を吸収するように、日常生活の中から効率的に英語情報を受容することができます。リアルタイムで使われている英語表現に触れ、これはと思ったものを「自分の語彙」に組み込んでいきましょう。

とはいえ、英語の受容には地道な努力が不可欠で、どうしても「挫折」がつきものです。どうすれば、「挫折」せずに英語学習を続けられるのでしょうか。今回は、どのようなリーディング素材で受容を続けると「挫折しづらい」のかを説明したいと思います。

ビジネス英語のリーディング素材として、多くの人が思い浮かべるものは英字新聞や経済誌です。ホテルのカフェなどで、コーヒーを飲みながら英字新聞を読んでいるのが、できるビジネスパーソン。そんなイメージがどこかにあるのでしょうか。なぜか、ウェブ版よりも紙媒体が好まれるようです。

これが英語学習の「挫折の構造」だ

事実、一念発起して「The Wall Street Journal」や「The Economist」の購読を開始する学生や社会人は少なくありません。もちろん、その心意気はすばらしいですし、それはそれで続けてほしいのですが、問題点もあります。それは「挫折しやすい」ということです。


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みなさんは日本語の新聞や雑誌を、一言一句余さず熟読したりするでしょうか。中には、じっくりと時間をかけて熟読する方もいらっしゃるかもしれませんが、そういった方は少数派でしょう。

ざっと見出しを拾い読みし、気になった記事があれば少し時間をかけて読んでみる。それが一般的な新聞や雑誌の「読まれ方」だと思います。

ところが、英語学習になった途端に「しっかり読まなければならない」という強迫観念に襲われる人が少なくないようです。新聞や雑誌の情報量は膨大です。隅々まで一言一句読んでいると、時間がどれだけあっても足りません。知らない単語をその都度調べるとしたらなおさらです。

まだ全然読み切れていないのに、次の号が届く。また読み切れていないのに、さらに次が。新しい号は次から次へとやってきます。その結果、読んでいない新聞や雑誌が部屋の片隅にどんどんたまっていきます。こうなると、だんだんと読むこと自体がおっくうになって、ページを開くこともしなくなります。つまり、挫折への道をまっしぐらに突き進んでしまうのです。

こうなってしまう大きな理由が、力の入りすぎにあるように感じます。もう少し、力を抜いてみるのが、英語の受容を長く続けるための最大のコツです。

英語の受容はジム通いに似ています。ジム通いで最も大切なことは、「休まずに行くこと」です。気負い込んで緻密なメニューを組み、ハードなトレーニングを長時間続けるよりも、慣れるまでは「ただ行く」ことに意味があります。

何もせずに帰ってきてもいいから、とにかく休まずに行く。そして無理のない範囲で体を動かしてみる。こうやって徐々に慣れ、行くことを習慣にできればしめたものです。余裕が出てきたら、少しずつやることを増やしていく。その積み重ねによって、徐々に自分の「ルーティーン」が完成していきます。

英語の受容においても同様です。まずは「英語に触れる習慣」をつけることが大切なのです。

一番手軽で、おカネもかからず、一念発起しなくてもできそうな英語の受容の方法は、ウェブの活用です。ご存じのとおり、インターネットには英語情報があふれています。ネット上の情報の大半は英語で書かれているともいわれます。

見るべきWebサイトの選び方

このように星の数ほどあるネット上の英語のジムのうち、どこに行けばいいのでしょうか。基本的には、「好きなところ」に行っていただければいいと思っています。それだと選べないのであれば、「自分が興味を持っている分野の最新情報が、一番わかりやすく提供されている場所」を探してみるといいでしょう。

ビジネス関係であれば、CNNの「Company News」や「BBC News」「Yahoo Finance」などが有名です。

もちろん、堅苦しいビジネスの話ではなく、自分の趣味に関する情報であっても一向にかまいません。目的は「行くこと」ですので、そこは「ふと行きたくなる場所」である必要があります。その点、趣味の分野はうってつけです。

たとえば、私は総合格闘技を見るのが好きなので、関連情報を得るために、アメリカの専門サイトを頻繁に訪れます。もちろん、コンテンツは英語で作られています。アメリカは総合格闘技の本場ですので、情報の質や量や鮮度は日本語で手に入るものとは比較になりません。

みなさんも「これは」という趣味があれば、その分野の情報を入手できる「本場の英語サイト」がないかどうか、調べてみてください。いいサイトが見つかれば、そこはあなたにとって「最高のジム」になるはずです。 成果を挙げる人は、英語習得に関しても、自分だけのジムを持っているのです。

ジムで何をすればいいのでしょうか。こういったサイトを訪問すると、その日の(あるいはその時点の)最新記事の見出しが並んでいます。トップ記事や大きな記事は写真付きの場合が多いでしょう。これは日本語の情報サイトとまったく同じです。

その中で「一番気になる記事」をクリックしてください。特にこだわりがなければ「トップ記事」と決めておいてもいいでしょう。紙の新聞で「一面のトップ記事」や「社説」を拾い読む感覚です。

リンクをクリックすると、その記事のページに飛びます。その冒頭には「見出し、画像(映像)、前文」の3つの情報がセットになっています。この3つの情報を閲覧してください。最低限やるべきことは、見出しを読み、画像もしくは映像を眺め、前文を読むことです。

多くの場合、見出しはひとつの文でできています(冠詞やピリオドなどが省略されていることが多いので注意してください)。画像は基本的に1枚の写真です。映像の場合はクリックして視聴することができます。

ほとんどの場合、前文は1つか2つの文です。ここでは「その記事が何について書かれているのか」「何が起こったのか」が端的に書かれています。ですので、前文を読むことによって記事の概要がわかります。

見出しや前文に知らない単語や表現があったとしましょう。あなたなら、どうしますか。

この場合、対処法は2つあります。1つは「考える」。もう1つは辞書や検索で「調べる」です。

私は、すぐに調べるよりも、少し寝かせて考えてみることを推奨します。もともと自分が興味のある分野や記事を選んでいるので、かなりの確率で「類推が利く」はずですし、画像や映像も役に立つでしょう。

また、頻出単語というのは文字どおり頻出しますので、毎日「ジム」に通っていれば、何度となく目に触れることになります。2度と目にしない単語であれば、あえて覚える必要がないとも言えます。こういう単語は、忘れてしまって一向に構いません。

もともと知らなかった単語も、何度も目にするうちに意味がわかってしまうこともあるでしょう。どうしてもわからずに気になるようであれば、調べてみてください。同じ「調べる」でも「知らないから調べる」と「気になるので調べる」は違います。

少し寝かせてから調べることで、その後の記憶への定着度合いは格段に高まります。

強迫観念をなくせば英語力は伸びる

もう一度、やるべきことを整理してみます。要は「見出しと前文を読む」ということです。文の数はたかだか2つか3つくらいです。わからない単語や表現があっても構わないので、それを毎日続けてみてください。

はじめのうちは「続けること」「毎日ジムに行くこと」が大切になります。成功の秘訣は「毎日行きたい」と思えるジムを見つけることです。分野は何でもいいのですが、情報の鮮度が高いことは必須です。日々刻々と更新されていること。新しい情報はそれだけで価値があります。

日常生活の中で継続的に英語に触れる習慣がつけば、その先は自然にやるべきことが見えてきます。閲覧する記事の数を増やしてもいいですし、分野の数を増やしてもいいでしょう。たとえば、CNNの「Technology」と「Economy」の記事を1つずつ、といった具合です。

もちろん、1つの記事について、前文だけでなく記事全体を閲覧することもできます。ただし、その際には注意点があります。記事本文に入った途端に英文の量が激増するのです。ようやく歩き慣れたころに、マラソンを強いられるようなものなので、一気にハードルが上がります。

雑誌の定期購読と同じで、「全部読まなきゃ」という強迫観念は挫折への第一歩です。記事全体の閲覧にトライするのは、よくよく準備が整ってからにしてください。

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