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三井住友銀の高島頭取:融資・債券業務で米国トップ10目指す、買収も

2017.04.03

三井住友フィナンシャルグループ傘下で主力の三井住友銀行頭取に就任した高島誠氏は、米国でシンジケートローンや社債関連など融資・債券業務(デットビジネス)でトップ10入りを目指す方針だ。
世界最大の米国市場で本業の商業銀行業務を拡大して存在感を高め、今後の収益力強化につなげる考えを示した。

  高島頭取はブルームバーグとのインタビューで、米国について「われわれにとって極めて重要なマーケット」と位置付けた。
特にドナルド・トランプ大統領による経済政策の進展によって「ビジネスにはプラスになると期待している」と語り、「ここ数年間は一番バランスの取れたオポチュニティーを提供していただける」とみている。
就任は4月1日付。

  ランクアップを目指すデットビジネスについて高島頭取は、
「現在は米国で16、17番手にあるが、これを10番ぐらいに持って行くのは決して無理ではない」と述べた。
同ビジネスについては「欧州やアジアでも同じ」と語り、各地域でトップ10入りを目指す意向だ。これら目標の達成時期は「今後3年から5年」とした。

  三井住友Fなど大手邦銀は、長期に及ぶ金融緩和の影響や資金需要の弱さから国内融資の収益性低迷を補うため相対的に利ざやの高い海外融資を増やしている。特に米国は景気が回復基調にある中、今後も融資拡大が見込まれている。
  高島頭取は、米国でトップ10入りを果たした後について「そこから先は非常に大きな課題。
今までにない戦略展開を考えなければならない」と述べた。その際の拡大策については、米銀などの買収も「あるかもしれない」と語った。

  最近、米国では新領域の事業拡大に取り組んでいる。非日系の売り上げ規模3億ー5億ドルのミドルマーケット企業を対象としたプライベートエクイティ(PE)ファンドによる買収に伴う貸出資産の獲得で、高島頭取は「比較的にリターンが見込めるビジネスとしてまだ拡大の余地がある」とみる。
現在、米国に約30人いる人員を増強していく考えを示した。

  欧州では一昨年に米ゼネラル・エレクトリック(GE)から同様のPE向け債権約22億ドル分を買収し、一気に非日系中堅企業約100社との取引を獲得した実績がある。
高島頭取は2017年にもこのビジネスで米州と欧州が連携する体制を構築し、「お互いの投資家や銀行を紹介し合って協力する」ことで事業拡大を目指していくと語った。

  三井住友Fは、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の動きを見据えて新たな体制整備の検討を進めている。
現在、欧州域内で自由に金融事業を展開できる「パスポート」を英国で取得しているため、欧州大陸への対応に向けてEU内に新現地法人の設立が求められる可能性がある。
  高島頭取は、新たな現法設立の候補地として現拠点の中で比較的事業規模が大きいフランクフルト、ダブリン、パリ、ブリュッセル、アムステルダムを挙げた。
現在は「各国の金融当局や中央銀行などとディスカッションを重ねている段階」だという。その上で、具体的な申請やオフィスの準備、ロンドンからの一部人員シフトなどは「4-6月中にも意思決定」する考えを示した。

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