世界の投資関連ニュースを独自視点でお伝えしています。

英国総選挙:ブレグジットの形勢一変

2017.04.28

テリーザ・メイ首相は地滑り的な勝利を期待している。

 大きな政治問題に決着をつけるはずのイベントだった割には、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の是非を問うた昨年の国民投票は、多大な混乱をもたらしている。


 まず、EU残留を勝ち取ることを期待して国民投票の実施に踏み切ったデビッド・キャメロン政権を吹き飛ばした。次に、ブレグジットに反対したスコットランドと北アイルランドの分離要求を再燃させた。

 そして今日、昨年夏に就任したばかりのテリーザ・メイ首相は、議会下院を解散して6月8日に総選挙を行うと発表した。「不安定さ」がさらに増すとの理由で解散総選挙をずっと否定していた首相の方針転換で、英国民は2年間で3度目となる全国的投票に臨むことになった。

 メイ氏によれば、この総選挙は、ブレグジットの頓挫を目論んでいる悪意ある野党からブレグジットの手続きを守るために必要なのだという。何ともばかげた説明だ。メイ氏の率いる保守党の議員を含めて、下院議員のほとんどは国民投票前にEU残留を呼びかけていたが、議会では素直に国民投票の結果を支持している。

 そんなことよりも、世論調査の政党支持率で、無力なジェレミー・コービン党首のせいで弱体化している野党・労働党を保守党が20ポイント以上リードしていることの方が首相の計算においては重要であるに違いない。

 選挙というものは、本質的に予想が困難だ。今度の総選挙も、鉄道から国営医療制度(NHS)に至るありとあらゆることが争点だと有権者に受け止められる恐れがある。しかし、コービン氏が党首の座にしがみついており、経済にはブレグジットの影響がまだ感じられないことから、政府与党の有効多数*1 を現在の17議席から100議席超に拡大する可能性がある。

関連記事

アーカイブ