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金融庁 NISA利益、20年間非課税に 新制度で若者に投資促す

2017.05.30

金融庁が個人投資家の育成に本腰を入れている。日本では家計の金融資産が預貯金に偏り、投資が根付く米国などに比べて金融資産が伸び悩んでいるためだ。来年には初心者に適した投資信託に事実上の「お墨付き」を与える異例の新制度を始め、若年層を中心に投資を促す考えだが、金融業界には「もうけにはつながらない」と消極的な姿勢もみられる。

 金融庁が来年1月に創設するのは、少額投資非課税制度(NISA)の長期積立枠だ。運用で得た利益が20年間、非課税になる。現行の5年に比べて4倍の長さ。十分な資金を持たない若年層がこつこつと投資しやすい仕組みにして、金融庁が掲げる「貯蓄から資産形成へ」の流れを後押しする。

 投資になじみがない人でも選びやすいように、新制度の対象は厳しい基準をクリアした商品に限定した。指数に値動きが連動する「インデックス型」の場合、東証株価指数(TOPIX)が対象であれば、販売手数料は無料、運用管理費用である信託報酬は0.5%以下などが条件だ。

 ただ基準をクリアしたのは約50本と、国内で販売される公募株式投信の1%にすぎない。対象商品は人手をかけて売っても実入りは少ないため、地方銀行からは「本音ではやりたくない」との声も漏れる。

 一方、米国では残高が大きい上位10本の投信のうち8本が基準を満たす。金融庁の森信親長官は「日本では顧客の資産形成を助ける商品の作り方や売り方をしていないのではないか」と批判。低コスト商品の充実や透明性の高い販売を求める。

 投信を開発する三井住友アセットマネジメントの桜井秀樹氏は「条件を満たす投信が少ないのは業界にも責任がある。国民の資産形成に適した商品を増やしていきたい」と話している。

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