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日経平均下落で覚えておきたい「3つの価格」

2017.08.18

米国と北朝鮮の米朝関係に緊張感が高まり、リスクオフの流れに転じつつある株式相場。足元では米国株も日本株もいったんリバウンドしたものの、予断を許さない状況だ。今の日本株をテクニカル面から見ると、移動平均線などの動きからは今後の需給悪化が懸念されるところだ。一方、重要な高値や安値をつけた日付など、時間的な経過から相場を予測する「日柄(サイクル)」面では底入れ時期が徐々に近づいているとの見方もあり、当面の見通しを探ってみた。

移動平均線の傾きを知れば、相場の方向性がわかる

まずは移動平均線を使って、日経平均株価を見ていこう。移動平均線とは「ある期間(たとえば5営業日、25営業日など)の終値の平均を結んでできたグラフである。最新日付のデータを入れる一方、一番過去日付のデータを除去して算出するのがミソであり、これで一定期間の「平均売買コスト」がこれでわかる。

「今さら移動平均線なんて……」と言われそうだが、実は、長年にわたって相場に携わるプロ投資家は「相場は移動平均線に始まり、移動平均線に帰る」と口をそろえる。「知っているつもり」でもぜひ、このまま読み進めていただきたい。

移動平均線による分析は「単線分析」と「複数線分析」がある。前者は株価の方向性(傾き)を捉え、後者は移動平均線の「交差」(クロス)の状況から売買シグナルを探るものだ。

まず単線分析から解説しよう。移動平均線はその計算方法から、慣性の力が働きやすい。移動平均線が右肩上がりなら株価は上昇トレンド、右肩下がりなら株価は下落トレンドをたどることを想定する。「Trend is your friend」とも言われるように、トレンドには逆らわないことが重要といえる。

現状、代表的な日経平均株価の25日線は下向きに転じている。短期的には下落トレンドということだ。だが、一方で長期トレンドはどうか。代表的な200日線の傾きはなお右肩上がりの上昇トレンドを継続しており、短期的に調整しても、一時的な下げにとどまるだろうと読める。

いったん、徐々に売り圧力が強まる可能性も

もうひとつは複数線分析だ。2つの移動平均線(たとえば25日線と75日線)の交差を使う代表的な方法に、ゴールデンクロス(GC)やデッドクロス(DC)がある。ちなみに25日線と75日線での交差はミニGC、ミニDCと呼ばれる。2つのうち、より短期の移動平均線がもうひとつの移動平均線を下から上に交差するのがGC、その逆がDC。遅効性があるが、前者は上昇のサイン、後者は下落のサインとされる。

足元では、17日現在の日経平均株価の25日線(1万9952円)と75日線(1万9918円)がミニDCになりそうだ。しかも今後は中期トレンドを示す75日線は横ばい、もしくは緩やかな下落に転じるとみられ、徐々に戻り売り圧力が強まり、需給悪化が懸念される。

また上記2つの分析以外にも「2本の移動平均線の放れ度合い」(収束と発散)に注目するチャート分析があり、これも有効な分析手段のひとつになる。株価のモミ合いが長らく続くと、短期の25日線、長期の200日線が接近する局面(収束)が訪れる。これは短長期の損益分岐点が近づくことから需給面におけるしこりがほぐれつつ、近い将来の株価が大きく上下へ放れる兆しともいえる。

この収束と発散に注目して足元の日経平均株価を見るとどうか。8月17日時点で25日線(1万9952円)と200日線(1万9235円)は依然として700円以上も離れていることから、しばらく調整局面が続きそうだ。今後は移動平均線同士が収束へ向かい、短期投資家と長期投資家の足並みがそろえば、再び戻りを強めるかもしれない。

さて、今度は日柄(サイクル)面から天底を探ってみよう。日経平均株価が2015年6月高値2万0868円をつけてから2年超が経過するなか、その前後の調整局面を振り返ると、「安値」と「安値」の間に4~5カ月(90~106日)のボトムサイクルが浮かんでくる。

それは以下のとおりだ。

2016年2月安値1万4952円/下落理由:原油相場の急落など)
90日(2016年6月安値1万4952円/同:英国のEU離脱決定)
92日(2016年11月安値1万6251円/同:米大統領選)
106日(2017年4月安値1万8335円/同:/仏大統領選懸念)
8月17日時点で、日経平均株価は4月安値(1万8335円)からすでに84日経過している。90~106日のボトムサイクルを当てはめると、底入れメドとしては8月25日~9月18日が算出される。

日経平均が安値をつける場合、覚えておきたい3つの価格

足元では北朝鮮情勢に対する警戒感がいったん後退したものの、9月以降は9日北朝鮮建国記念日、また19~20日には米FOMC(連邦公開市場委員会)、24日には独総選挙を控える。最長で9月18日あたりを底入れメドとする上記の日柄分析とも、ほぼ合致している。もしこの期間に安値をつけるとしたら、以下の3つの価格がメドになるかもしれない。

①1万9340円(2017年3月月中平均)②1万9283円(2017年4月安値1万8335円から6月高値2万0230円までの上げ幅の半値押し)
③1万9114円(2016年末の終値)

以上のことから、日本株は底入れ時期と下値のメドに徐々に近づきつつあるのではないか。

ただ、市場全体の過熱感を推し量る「騰落レシオ」はな102.57となお高く、もう一段安の局面が訪れた場合にはじめて、押し目買いのタイミングになるかもしれない。米朝関係の緊張緩和に加え独選挙など欧州政治等が波乱なく通過すれば、日本株の見直し機運も高まると思われる。

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