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米国債に悪夢のシナリオ 市場は「テクニカルデフォルト」懸念

米国による債務の履行を疑う人は誰もいない。だが、議会が連邦債務上限引き上げに間に合わない場合、14兆1000億ドル(約1545兆円)規模の米国債市場は元利金の支払いが単に遅れる「テクニカルデフォルト(債務不履行)」が発生することになる。それでもめまいがするような複雑な事態に陥りそうだ。

 債券市場の業界団体は成り行きを静観しているわけでなく、影響を受ける証券への対応方法に関して以前にまとめた計画を微調整し、取引などに支障が出ないように備えている。ただ、バックオフィスの準備態勢を万全にしても、市場の混乱で投資家が米国債を敬遠する懸念は拭い切れない。

 ジェフリーズのチーフ金融エコノミスト、ウォード・マッカーシー氏は債務上限の引き上げが間に合わない場合、「米国債市場に大きな混乱が生じる」と述べ、「米国が再び格下げとなり、債券市場の代表的存在である米国に極めて大きな影を落とすだろう」と指摘した。

 2011年に債務上限問題が膠着(こうちゃく)状態に陥った際、米国の格付けを引き下げたS&Pグローバル・レーティングは先週、債務上限が引き上げられなければ、08年のリーマン・ブラザーズ破綻よりも米経済の痛手は大きくなる可能性が高いと警告した。

ムニューシン財務長官は先週、9月29日までに債務上限を引き上げることが極めて重要だとあらためて表明し、議会が時宜を得た行動を取ると確信していると語った。債務上限問題はハリケーン「ハービー」の被災者救済の取り組みと絡めて対処される可能性がある。長官は8月31日にCNBCに対し、「誰も米国をデフォルトに陥らせることはない」とコメントした。

 ライアン下院議長は9月1日にミルウォーキー・ジャーナル・センティネル紙に対し、議会は10月までに債務上限について行動する必要があると述べ、米国はデフォルトに陥らないとの見解を示した。

 投資家は以前にもこうした状況を経験している。実際にテクニカルデフォルト状態になれば、米国債入札やレポ取引、債務コストなどに影響すると懸念される。

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