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楽天・バンガード・ファンドは投信投資家を総取りするか

楽天バンガードが発足しました。まず、バンガードの旗艦ETFであるVTIと日本人に人気のVTに相当する投信が最初にリリースされます。市場動向を的確にとらえた、戦略的なリリースですね。



 おそらく、今後はS&P500対応のVOOに始まり、債券のBND、新興国のVWO、あるいは高配当のVYMなどすでに日本人に人気を博しているETFは続々とリリースされると思われます。



 これらのETFがそろえば、海外投資の投資信託に関してはほとんどすべて網羅したと言ってよいでしょう。需要とのバランスになるでしょうが、新興国やヨーロッパといった全世界型の投資も可能だということです。



 ただ、バンガードには日本偏重のETFはありません。どうしても日経平均やTOPIXのみに特化した投信に投資をしたいという場合には他社から選ぶ必要があります。



 また、弊ブログでも以前書きましたが、VTIとBNDを組み合わせてバランスファンド風にして値動きをマイルドにしたりすることも可能です。その場合の信託報酬も、やはり業界最安レベルとなるのでしょう。



 どの程度までマニアックに組成するかですが、BNDもBNDXなどにすれば世界を対象とした債券になりますから、組成の組み合わせは豊かです。



 バンガードのETFをベースとしつつ、日本国内の投信部分でのコストをいかに抑えるか。こういうシンプルなビジネスモデルが結局のところ最安のモデルになりそうです。

 私は前々から思っていたのですが、いくら個別の投信の信託報酬が低くとも、その他の商品で高信託報酬であったり、高信託報酬の毎月分配の投信を扱っている会社は信用できないと思っていました。



 知っている人には適切な商品を売り、そうでない人からは会社側の利益が大きいものを売るという構図がどうにも「うーん・・・」と思っていたわけです。弊ブログが海外ETFを推して、投信を殆ど推してこなかった理由もここにあります。



 そういう意味では、限られた本数をリリースしていて、実績も確かなアクティブ投信会社というのは顧客に寄り添ったサービスという矜持が非常に感じられます。



 楽天バンガードの商品は圧倒的な低コストで、さらにバンガードの商品を扱っていくということで今後注目されます。ややもすれば、今後日本勢のインデックス投信を駆逐する可能性さえもあると思っています。

海外株投信のシェアが塗り替わる可能性も

 特に今、ネット証券を利用して投信を買い付けているような、普通の個人投資家のシェアは今後じわじわと楽天バンガードに奪われる可能性があります。



 バンガードETFは非常に信託報酬が低く、それを投信という形でパッケージにして売るという手法は信託報酬値下げに最も効果のある手法となります。

バンガードの信託報酬 楽天上乗せ分 合計
VTI 0.04% 0.12% 0.16%
VT 0.11% 0.12% 0.23%
VOO 0.04% 0.12% 0.16%
BND 0.05% 0.12% 0.17%
VYM 0.08% 0.12% 0.20%
 赤字表記はもうすでに販売決定しているETF対応の投信です。黒字は予測、例です。



 表は税抜きでの信託報酬です。楽天は税抜き0.12%を上乗せということを明言していますので、 今後人気あるETFを投信化するとこのような信託報酬になってくると思われます。非常に分かりやすく、予想が立てやすいです。

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 S&P500対応のVOOは信託報酬が0.04%とVTIと同じです。もしこれが仮に投信化され、0.16%で売り出されたら、たちまち業界最安となります。これに限らず、すべての投信が業界最安レベルになるでしょう。



 日本の投信の強みは日経やTOPIXなど日本系のみになる可能性もあります。



 ただ、バンガードが最安かというと、じつは米国内ではチャールズシュワブというネット証券系のさらに安いETF運用会社があります。S&P500対応ETFはチャールズシュワブだと0.03%です。



 実現の可能性は低いですが、もしチャールズシュワブと日本の投信会社が組んで、楽天のようにパッケージ化して売るならば有力な対抗馬となるでしょう。また、楽天以外の、たとえばSBI系の会社とバンガードが組んで、0.12%以下の上乗せ商品をだせばそれが最安になります。



 楽天の0.12%という信託報酬が高いか安いかは微妙なところですが、投信の信託報酬引き下げ競争はここにきて最終段階を迎え始めていると言っても良いと思います。



 つみたてNISAから始まった一連の動き、信託報酬の引き下げ競争は私たち個人投資家にとっては僥倖ですが、関係会社にとっては厳しい値下げ競争を迫られることになりそうです。

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