世界の投資関連ニュースを独自視点でお伝えしています。

老後のために知っておきたい 「加給年金」の仕組み

2018.03.08

公的年金について皆さんはどれだけご存じでしょうか。今後65歳からの支給になることはほとんどの人が知っているでしょう。夫が亡くなった場合、妻に遺族年金が支給されることも多くの方は認識されているでしょう。ところが、意外に知られていないのが「加給年金」の存在です。

 加給年金は夫が65歳に到達して年金を受け取り始めたときに、扶養している妻が65歳未満であれば、支給される年金です。簡単にいえば「年金の家族手当」のようなものです。仮に夫が65歳で妻が60歳であれば、5年間支給されます。もちろん、これには条件があります。

 まず夫が会社員や公務員で20年以上、厚生年金や共済年金に加入して保険料を払い続けていなければなりません。自営業者らが加入する国民年金にはない仕組みです。次に重要なのは妻が年下であるということです。

■妻が65歳になると支給が打ち切られる

 加給年金は妻が65歳になると支給が打ち切られます。夫が65歳の時点で妻がそれより年上では最初から支給されないのです。このほかにも妻の年収が850万円未満などの条件があります。

 では、一体どれぐらいの金額が支給されるのでしょうか。加給年金の支給額自体は年間で一律22万4300円(2017年度)です。さらにこれに加えて、夫の年齢に応じて妻には特別加算が上乗せされます。夫が1943年(昭和18年)4月2日以降に生まれた方(今ではほとんどの方が該当するでしょう)は16万5500円が上乗せされますので、合計すると年間38万9800円が支給されることになります。

 月額にすれば3万円以上ですから、決して少ない額ではありません。年齢差が5歳ならトータルでは200万円近くが支給されることになります。もし、20歳も年下の妻であれば800万円近くになりますので、これはかなりの金額です。

■妻だけでなく18歳未満の子も支給対象になる

 加給年金の支給対象は妻だけではありません。扶養している18歳未満の子がいる場合、1人目と2人目には年間で各22万4300円が、3人目以降は各7万4800円が18歳になるまで支給されます。65歳になった時点で子が18歳未満という人はかつてはそれほど多くなかったでしょうが、最近のように晩婚化・晩産化が進んでくると決して珍しくはなくなりました。そう考えると、子に対する加給年金は非常にありがたい制度です。

 ちなみに、妻が65歳になると加給年金の支給が打ち切られるのは自分の基礎年金をもらい始めるからです。代わって、妻の年金には「振替加算」と呼ばれる上乗せ部分が付くようになります。2017年に元公務員の妻らに対する大規模な未払いが発覚したのは、この振替加算です。

 加給年金については気をつけるべき点もあります。それは公的年金の受給を本来の65歳から遅らせる場合、その間は加給年金だけをもらうことはできないということです。最近では年金を70歳まで待ってから受給すると、65歳からもらうより年金額が42%増えることが広く知られるようになり、それを選ぶ方も少なくないと思います。

 しかしながら、その場合は70歳までは加給年金が支給されません。妻との年齢差が5歳未満の場合は、加給年金は全く受け取ることができなくなります。

■支給を遅らせると加給年金は受け取れない

 公的年金の支給を遅らせることによる増額分と加給年金の額をよく比較検討することが必要でしょう。また、年金はどんなケースでも「申請主義」ですので、能動的に手続きしないと、自動的には受け取ることができないという点にも注意が必要です。

 年金は様々な種類があると同時に、受け取る方法とその選択肢についてもかなりバラエティーがあります。逆にいえば、60歳以降の働き方や老後の生活の仕方に合わせて「何を」「どれぐらい」もらうのかを選ばなくてはなりません。

 全ての選択肢を知っておく必要はありませんが、少なくともどのような選択肢があるかは確認しておくべきでしょう。詳しくは日本年金機構の「ねんきんダイヤル」などで聞いてみてください。

関連記事

アーカイブ