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貯蓄も投資もルール次第 新社会人のお金の基礎

2018.03.30

 週明けには新社会人になる人たちにとって、「お金をためられる人は忍耐強い」といったイメージがあるかもしれません。しかし、実際にはそうした人たちは自動的にお金がたまる仕組みをうまくつくっているのです。今回は新社会人生活をスムーズに始めるためにも、初任給を受け取る前に整備しておきたい家計管理や資産運用のルールなどについて紹介します。

■貯蓄・投資は手取りの2割を目標に

 初めて資産運用する際、その前提として貯蓄の習慣をつくることが大切です。そこで、手取り月収17万円の人の理想的な家計配分を例示しました。

 住居費は手取りの3割を上限とし、シビアな家賃で部屋探しをすることにします。貯蓄・投資は手取りの2割を目標とし、残った金額で生活費をまかないます。なお、生活費などですでに支払いが決まっている金額を集計し、無理が生じるとわかった場合は、貯蓄は2割にこだわらず月5000円などから始め、生活が軌道に乗ったら額を増やしていくのでも大丈夫です。まずは「習慣にする」「システムを作る」ことが大切なのです。定額自動入金など、手数料無料で毎月特定の金融機関の口座に先取り貯蓄できるサービスもあるので、利用するのも手です。

 一方、最近は少額から資産運用できる環境も整っています。投資を始めるのが早ければ、得られた利益をさらに投資に向けることができ、複利効果で運用の成績を上げることができます。投資に興味がある人は、最初は少額での投資にするなど、リスクをコントロールしながら取り組むのがよいでしょう。

■貯蓄の5~10%を投資してもいい

 貯蓄額の5~10%であれば、投資を検討してもいいと思います。例示のケースだと毎月約3万円は預貯金、数千円を投資に回すことを想定しています。1年ちょっと続けると約40万円の預貯金ができます。また、数千円ずつの投資であれば、自分の資産が相場に応じて上下するときにどういった感情を抱くかなど、ある程度余裕を持って自己観察することができます。

投資で利益を得た場合、通常は約20%の税金がかかります。せっかく投資を始めるのであれば、利益に税金がかからない優遇制度を利用するのがお勧めです。代表的なのは少額投資非課税制度(NISA)、つみたてNISA、個人型確定拠出年金(iDeCo)です。

■税の優遇制度を利用

 通常のNISAでは株式、投資信託などの購入ができます。投資額は年間120万円が上限で原則5年間、非課税で運用できます。運用方法は積み立て、都度購入のいずれも選べます。株主優待や配当金など、株式投資に興味がある場合に選ぶのは通常のNISAになります。

 つみたてNISAでは、金融庁の定めた条件をクリアした低コストの投資信託(日本には約6000本の投資信託がありますが、現時点でそのうちの約150本が対象)で積み立て投資していきます。投資額は年間40万円が上限で、最長20年間、非課税で運用することができます。

 iDeCoは定期預金、保険、投資信託などを積み立て購入して運用します。非課税で運用できる金額は勤務先の年金制度によって異なりますが、会社員の場合、年額14.4万円、24万円、27.6万円のいずれかです。NISAやつみたてNISAは現金として引き出すことに制限はありませんが、iDeCoでは原則60歳まで引き出せません。このため、老後の資金づくりに特化した制度といえます。



■新社会人はつみたてNISAが利用しやすい

 手元の預貯金がまだ少なく、今後結婚や住宅購入などのライフイベントがたくさん待ち受けている新社会人の場合、お金がいつでも引き出せる状況で投資を試すのが得策です。

 iDeCoは60歳まで引き出しができないので心理的なハードルがやや高いかもしれません。月々の拠出額(積み立てする金額)の下限が5000円であるという点も、もう少し貯蓄が増えてから本気で老後資金をためたいという人に向いているといえます。

 税制優遇のある制度の中では、新社会人はつみたてNISAが取り組みやすいでしょう。ある程度商品が絞り込まれているため初心者でも選びやすく、金融機関によっては100円からの積み立て運用が可能です。

■年40万円で物足りないなら通常のNISAへ

 年間40万円では物足りなく、株式などを運用したい場合は通常のNISAを選ぶことになります。株式を購入する場合、通常は「単元」と呼ばれる100株や1000株などの単位で購入します。金融機関によっては単元未満の一部分だけ購入したり、積み立てたりすることもできますが、1単元5万~10万円で購入できる銘柄もあります。まずは1単元を購入できる投資用の予算を確保してから始めるほうがわかりやすいでしょう。

 通常のNISAとつみたてNISAは1年ごとにどちらか片方しか選べません。選択肢は複数ありますが、無理せず取り組めそうなところから仕組みを作っていくことが大切です。まずは新生活でかかるお金をリストアップして、無理のない毎月の貯蓄額を検討することから始めてみてください。

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