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「投資でひともうけ」はダメ お金はゆったり働かせる

2018.04.02

さわかみあつと 1973年ジュネーブ大学付属国際問題研究所国際経済学修士課程履修。ピクテ・ジャパン代表取締役を務めた後、96年あえてサラリーマン世帯を顧客対象とする、さわかみ投資顧問(現さわかみ投信)を設立(撮影:大沼正彦)
 国内初の独立系投資信託会社として知られる「さわかみ投信」。同投信を立ち上げた澤上篤人氏は、長期投資こそ資産形成の有用な手段だと説く。投資に馴染みのない若い人たち向けに、長期投資への向き合い方について解説してもらった。

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 最近、若い人たちの間で「投資を始めてみようかな」といった声が、随分高まってきている。中でも若い女性で、投資に前向きな姿勢が目立つ。

 結構なことである。年金はもう当てにできそうにない。それは皆分かっている。給料もそれほど増えないし、将来に向けての「お金の不安」が、若い女性たちの頭から離れない。

 何とかしなければ、このまま年を重ねていったらマズイぞ。そう考えると、「やっぱり投資しなければ」となるのは自然の流れである。

 実は、そこから先が問題である。世の中で一般的な「投資もどき」をやってもらっては困るのだ。

 投資もどきで頑張れば頑張るほど、「投資は難しい」とか「投資はリスクが大きい」となってしまう。実際、皆さんの周りの投資家が口をそろえて、そう言って嘆いているじゃない。

 そこで、今回は本物の投資、とりわけ長期投資というものを一緒に考えてみよう。新しく投資を始めようとする若い彼女らに、幸せな投資の第一歩を踏み出してもらおうではないか。

 幸せな投資? そう、これから投資を始めようとしている人たちが、絶対に守ってほしいことがいくつかある。それだけを学んでもらいたい。といっても、難しいことは何もないから、安心してくれていい。

■お金に働いてもらうのが投資


 本物の長期投資の第1は、お金にゆったりと働いてもらうことだ。よく投資というと、株式などを買ったり売ったりで、ハラハラドキドキさせられ通しという、そんな投資家の姿をすぐ思い浮かべるんじゃないかな。

 そういったハラハラドキドキは、株式のディーリングとかトレーディングをしている人たちに当てはまること。彼らは朝から晩まで、激しくドタバタと売買に明け暮れているが、我々の長期投資とは全くの別物である。

 では、本物の長期投資とは? お金にゆったり働いてもらうって、どんな感じだろう?

 自分の体で考えると、分かりやすい。皆さん、真面目に働いて得た収入で生活してるじゃない。毎月の給料日を楽しみにしているよね。それを右足の働きとしよう。

 となると左足は、何をしたらいいの? 左足には投資として、お金にゆったりと働いてもらうのよ。

 右足も左足も、自分の体の一部である。右足と左足とを切り離して、別々の動きをさせるなんてこと、決してしないよね。そう、左足の投資も右足であるお給料と同じように、ごくごく身近なところで、ゆっくりと働いてもらうのだ。

 よくテレビのコマーシャルで、ブラジルのレアル債に投資しようとか、米国のREIT(不動産投資信託)の利回りは高いですよとか言っているじゃない。ああいったものは、全て無視していい。

 だって、そういったものを買うということは、あなたが日本の例えば長野県の上田市に住んでいて、左足だけブラジルへ行って働いてこいと言っているようなものだ。右足は上田市に残っていて、左足だけブラジルとか米国で働けと出稼ぎに送り出すなんて、おかしいよね。

 そういった無理は続かない。初めからやめておこう。

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