世界の投資関連ニュースを独自視点でお伝えしています。

トランプ氏、ロシア軍施設攻撃も検討か

2018.04.20

米英仏3カ国が14日行ったシリアへの攻撃をめぐり、トランプ政権内で化学兵器関連施設3カ所に絞った限定的なものではなく、より大規模な攻撃が検討されていたことが17日までに明らかになった。この攻撃には、ロシアの対空防衛能力も対象に加える可能性があったという。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が伝えた。

 トランプ大統領がシリアのアサド政権を支援するロシアやイランも目標に含めた大規模攻撃も検討するよう指示したが、マティス国防長官が「両国の危険な反撃を招く恐れがある」と反対し、トランプ氏が折れた形となった。

 同紙は具体的に「ロシアの対空防衛能力」が何かには触れていないが、ロシアはシリア北西部ヘメイミームに空軍基地、西部タルトスに海軍基地を配置、最新鋭の地対空ミサイルシステム「S400」などを配備しており、両基地を指している可能性がある。両基地には当然ながらロシア軍の要員も多数駐在しており、そこに攻撃を加えれば米国とシリア間のみならず、米ロ間の紛争に発展する恐れもあった。

 マティス氏と言えば元海兵隊大将で批判を恐れない激しい物言いから「狂犬」とのあだ名を持ち就任前は強硬な外交姿勢が懸念されたが、現在は北朝鮮核問題などの外交解決を重視する発言を繰り返すなど、政権内で勢いづくタカ派の歯止めとしての役割を期待されている。

 「作戦決定の過程を知る人物」の話として報じたもので、米政権内での長時間の議論を経て、マティス国防長官が三つの作戦計画をトランプ大統領らに提案。3計画はそれぞれ①シリアの化学兵器関連施設に限った限定攻撃②化学兵器関連施設に加え、軍司令センターなどアサド政権中枢を対象にしたより広範囲の攻撃③アサド政権の軍事力を無力にすることを目的とし、シリア領内のロシアの対空防衛能力なども想定した大規模攻撃―だった。

 大規模攻撃計画については、トランプ氏に加えヘイリー国連大使も乗り気だったが、マティス長官が押し返し結局、化学兵器関連施設に限定するものの、攻撃規模を拡大した第1、第2の折衷案が採用された。大規模攻撃案に比べると、攻撃規模は3分の1に縮小された。

 北朝鮮への先制攻撃容認論などを主張するタカ派として知られ、国家安全保障問題担当の大統領補佐官に9日就任したばかりのボルトン氏は、大規模攻撃で米国がさらに紛争に引きずり込まれることを懸念、アサド体制に「破壊的」打撃を与えるべきだと主張したが、第3案を推すことはなかった。 

関連記事

アーカイブ