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野村HD、リーマン・ショック後凍結の自己投資を10年ぶりに再開

2018.09.11

野村ホールディングス(HD)は10日、自己資金で企業の株式を取得して経営支援に乗り出す事業を再開し、2018年度内に地方の有力企業から投資先を選定する方針を明らかにした。新規の投資は08年のリーマン・ショック後に凍結して以来、約10年ぶり。収益拡大とともに地域活性化を目指し、地元の銀行との連携も検討する。

自己投資を10年ぶりに再開する野村HDの本社=東京(ブルームバーグ)
自己投資を10年ぶりに再開する野村HDの本社=東京(ブルームバーグ)

 地域で中核となっている企業を対象に、1社当たり100億円程度を投じて株式の過半数を取得。数年かけて企業価値の向上に取り組み、株式上場などで利益を狙う。今年4月下旬に総額1000億円のファンドを設立し、製造業や流通業など幅広い業種から投資先を絞り込む作業を進めている。

 野村HDは00~08年に、大型リゾート施設のハウステンボス(長崎県佐世保市)、外食チェーンのすかいらーくといった大手企業を中心に投資実績がある。金融危機に伴い新規の投資を取りやめたが、成長の頭打ちや後継者不足など地方企業が抱える課題の解決を新たな商機と捉え、再び収益の柱に育てる考えだ。

野村HDの前川雅彦執行役員は「全国各地に支店を通じたネットワークを持っており、投資案件の発掘に生かせる」と強調。事業承継を含め、企業のさまざまなニーズに応じて「地方が元気になる投資をしたい」と話した。

 外部の専門家をメンバーに加えて経営改善を進め、投資先は10~15社に増やす計画だ。投資に必要な資金調達などで、地方銀行と協力することも視野に入れる。



【用語解説】野村HDの自己投資事業

 2000年に子会社「野村プリンシパル・ファイナンス」を設立し、西武百貨店とそごうを展開するミレニアムリテイリングなど18社に計約2800億円の投資を実行した。投資先の経営を改善し、他社への売却や株式の新規上場により収益を上げる仕組み。リーマン・ショックの影響で、13年までに全ての保有株を売却した。野村ホールディングス(HD)では「マーチャント・バンキング事業」と呼び、別の子会社を通じて足利銀行(宇都宮市)の再建にも携わった。

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