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ゴールドマン、米株弱気相場入りの可能性を警告-貿易摩擦激化で

今年に入り貿易摩擦がエスカレートする中で米国株の投資家は冷静さを保っているが、ウォール街から聞こえてくる警告は強まるばかりだ。

  最近、ゴールドマン・サックス・グループとJPモルガン・チェースもそれに加わり、全面的な貿易戦争が起きた場合に米企業が被るリスクを強調している。今週それぞれ発表したリポートで両社のストラテジストは、企業利益への打撃に関する試算を示した。ゴールドマンの米国株チーフストラテジスト、デービッド・コスティン氏は米国が全輸入品に10%の関税をかけるシナリオでは弱気相場入りを想定していると指摘した。

  UBSグループのストラテジストのキース・パーカー氏も先週、トランプ米大統領が中国の輸入品に対する新たな関税発動を検討する中で米国株の際立った強靱(きょうじん)さが危険にさらされていると投資家に警告を発した。S&P500種株価指数が今年、世界の他の地域との比較で2014年以来最高の年に向かっていることを踏まえれば、こうした懸念は投資家の姿勢と食い違っているように見えるが、企業幹部の間で高まりつつある不安感とは重なる。

  7000件余りの決算報告書と電話会議の内容を調査したJPモルガンの分析結果によると、前回の決算シーズンでは減税より関税の方が頻繁に話題となり、35%の企業が関税を脅威と指摘した。ドブラフコ・ラコスブハス氏ら同行のストラテジストは25%の二国間関税が実施された場合、S&P500種株価指数の構成企業全体で1株利益は最大10ドル落ち込む可能性があると予想。今年の予想は1株当たり165ドルだ。

  ラコスブハス氏はリポートで「貿易摩擦の高まりが今後、特に来年について1株利益を大きく押し下げる恐れがある」と分析している。

  一方、ゴールドマンのコスティン氏が描くのはもっと暗いシナリオだ。中国製品への25%関税賦課でS&P500種構成企業の来年の成長は吹き飛びかねないとした。米国が海外からの全ての輸入品に10%の関税をかけるというより極端なケースでは、米国側のコスト上昇で企業利益は10%落ち込む可能性もあるという。

  投資家のセンチメントも悪化し、バリュエーションは下がりかねない。結果的にその最悪のシナリオではS&P500種株価指数は2230に下落し得ると、コスティン氏は今週のリポートに書いている。これは先月付けた過去最高値2914を23%下回る水準で、従来の弱気相場入りの定義を満たす。

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