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ECB理事が一部ヘッジファンドを優遇するのは当たり前

一部の限られた人間だけが特別な情報を手にする、
極めて当たり前の話なのだが、ねじまがった平等思想を植え付けられた日本人はそんな当たり前のことを下記のように表現してしまうのが毎度面白い。

クーレECB理事の発言でユーロ/米ドルが急落!

 今週(5月18日~)は、ポジション調整がまだまだ終わっていないユーロ/米ドルが5月19日(火)の欧州時間に急落。市場参加者をあわてさせることになりました。

 事の発端は、クーレECB(欧州中央銀行)理事の発言。

 「ECBは、夏の閑散なマーケットになる前に、現在の量的緩和(QE)のペースを加速させる」とのヘッドラインは、ユーロ/米ドルを200ポイント以上急落させることになりました。

 アジア時間のユーロ/米ドルの高値が1.1326ドル。翌5月20日(水)には、一時1.1062ドルまで売り込まれる事態となっています。

■ごく限られたパーティ参加者がユーロを売り込んだ!?

 ところで、この発言。

 実は、前日の5月18日(月)に英バークレイホテルで行われたディナーパーティーでのものでした。

 今や為替市場の方向性を作るとまで言われている英大手ヘッジファンドのブレバン・ハワードが主催したものでしたが、招待されたのは大手ファンドマネージャーなど、いわゆる「ごく限られた面々」。

 その場で発言されたクーレECB理事の「QE加速宣言」は、何と12時間以上経った翌日の朝9時に、ECBから公式に公表されたわけです。

 ブレバン・ハワードをはじめとする「ごく限られた」市場参加者がユーロ/米ドルを売り込んだのは言うまでもなく、一部からは、「発言が公になった後も、畳み掛けるように大量のユーロ/米ドルを売り浴びせた」との声も聞かれています。

 ECBからは、発言の公表が遅れた理由として「内部処理上のエラー」とのアナウンスが出てはいるものの、言葉通りに受け止める向きが少ないのは言うまでもないでしょう。

■ポジションの整理が一巡しない限り、再び上値を試す動きに

 この一件で、ECB関係者による市場とのコミュニケーション手段の整合性を問われることになってはいますが、市場が大きく動いてしまったことも紛れもない事実。

 こういった不測のリスクとも常に面合わせしていることを認識しておきたいものです。

 ただ、冷静になって考えてみると、クーレECB理事の発言の意図は、「QEそのものを拡大する」ことではなく、あくまでも、夏休みの間のオペレーション的な問題として買取額を減額せざるを得ない中で、その分を5月、6月に前倒しするということに他ならず、結局は同じことになると考えるのが妥当でしょう。

 ユーロ/米ドルは、一時的な急落となりましたが、私としては、まだまだポジションの整理が一巡しない限りは、再び上値を試す動きとなるのではないかと考えています。

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