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日本株のボラティリティが上海株上回る、ことし初-歴史的急騰の9日

2015.09.11

乱高下の続く日本株のボラティリティ(変動率)が、世界的株安の震源地だった中国上海株のボラティリティをことし初めて上回った。

グローバル投資家がリスク資産の圧縮に動いたのは、中国経済・金融市場への懸念と米国の利上げ時期に対する不透明感が強まったため。
特に日本は年初からの上昇率が目立っていた分、利益確定、仕掛けて的な売り圧力にさらされている。

TOPIXのヒストリカル・ボラティリティ(10日平均)は9日、49%と中国上海総合指数の46%を上回った。
10日時点でもTOPIXの46%に対し上海は45%で、日本株の相対的な荒さが続いている。

TOPIXのボラティリティは1日に53%と2011年3月以来の高水準に達した。
上海も8月28日には84%と、約20年ぶりの高さとなった。
香港ミラボー・アジアのトレーディング担当ディレクター、アンドルー・クラーク氏は「よりボラタイルな状況が続くなら、マーケットは危険過ぎると投資家もトレーダーも徐々にサイドラインの外側で座って眺めるようになるだろう。最近のアジア市場、特に中国本土、香港、日本はまるでカジノのようだ」と話す。

日本企業の業績堅調やコーポレート・ガバナンス(企業統治)改革への取り組みなどが評価され、TOPIXは8月10日に07年7月以来の高値を付けた。同日までの年初来上昇率は20%と、上海総合指数の21%にはわずかに劣ったが、独DAXの18%をしのぎ、米S&P500種株価指数の2.2%は圧倒していた。

その後、中国人民銀行(中央銀行)が人民元の中心レートを引き下げたことなどをきっかけに同国経済への不安が広がり、TOPIXは高値から今月8日までに16%下落。空売りの買い戻しなどが活発化した9日の取引では、TOPIXの1日の上昇率(6.4%)としては東日本大震災直後の11年3月16日以来、日経平均株価の上げ幅(1343円)は21年ぶりとなる暴騰を演じたが、10日は一転して日経平均が一時800円以上売り込まれる場面があった。

パインブリッジ・インベストメンツの前野達志執行役員は、「中国経済の見通しがはっきりし、米利上げの不透明感が消えるまではこのボラタイルなマーケットは続く」と予想する。

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