世界の投資関連ニュースを独自視点でお伝えしています。

英金融大手HSBCが「脱税ほう助」、世界への影響は必至

英金融大手HSBCが富裕層顧客の巨額の脱税をほう助していたことを示す機密文書がインターネット上で公開された。

世界中に波紋が広がり、その影響と超富裕層の金融取引に注目が集まっている。

HSBCでの私の印象は、「残高によって出入り口すら違う」ということ。

友人に聞けば「それが世界基準であたりまえのことだ」といっていたが、それを初めて目の当たりにしたのがHSBSだったので今回のニュースにも経験とリンクしてものすごく説得力を感じる。

「スイスリークス(SwissLeaks)事件」と呼ばれるこのスキャンダルで暴露された極秘ファイルには、著名人や武器商人とみられる人物、政治家などの名前も含まれていた。

ただリストに名前が載っているからといって必ずしも不正行為に関与したとは限らないのが少々ややこしいところ。

公開された文書によると、HSBCのスイス部門がなんと200か国以上の顧客の脱税をほう助したとされている。

それらの顧客の口座残高の総額は1190億ドル(約14兆円)に上るという。気も遠くなるような額だ。

欧州最大の銀行であるHSBCでIT担当だったエルベ・ファルチアニ(Herve Falciani)元社員が2007年に多数のファイルを盗み出し、フランス当局に提出していた。このファイルが一般公開されたのは今回が初めて。

国際調査報道ジャーナリスト連合(International Consortium of Investigative JournalistsICIJ)はこれらのファイルを仏紙ルモンド(Le Monde)経由で入手し、世界中の45社を超えるメディアに提供した。

ICIJによると、HSBCが国際的な犯罪者らや実業家、政治家、著名人らにスイス口座を開設させていたことがこの文書から分かるとしているが、そもそも私自身はICIJというジャーナリスト連合が存在することすら初めて知ったので、こういった情報の出方があるんだという別の角度の関心を持った。

このジャーナリスト連合に入っている日本人記者というのは存在するんだろうか。

節税は合法だが、脱税は違法だ。中小企業の社長さんでも悩むその線引きもここまでの超富裕層になるとより一層大胆さを増すのかもしれない。

今回の暴露により、富裕層や多国籍企業による巧妙な脱税の摘発を求める声が強まった。

ICIJは、「HSBCは、アフリカで迫撃砲弾を少年兵らに運ぶ武器商人や第三世界の独裁者の金庫番、「紛争ダイヤモンド」の密売人、その他の国際犯罪者らと取り引きを行って利益を得ていた」と伝えている。

このファイルには、ロシアやインド、アフリカ諸国の元職や現職の政治家、サウジアラビア、バーレーン、ヨルダン、モロッコの王族、さらにはオーストラリアのメディア王だった故ケリー・パッカー(Kerry Packer)氏の名前も含まれている。

大きな波紋が広がった今回の暴露を受けて、HSBCを捜査するようスイス当局に求める声が日増しに強まっている。

同行はフランスとベルギーではすでに訴追されている。

これまでのところスイス当局は、今回のスキャンダルの核心となったファイルを盗んだファルチアニ元社員についてのみ捜査している。

これらのファイルは、脱税者らの摘発のためフランス政府によって活用され、2010年に他国の政府とも共有された。

これによって一連の訴追につながった。

英税務当局は9日、これらのファイルに基づいて1億3500万ポンド(約240億円)以上の税収があったと発表した。

HSBCスイス部門のフランコ・モッラ(Franco Morra)代表はAFPの取材に対し、「HSBCのスイスプライベートバンキング部門は2008年から、提供するサービスが脱税や資金洗浄に悪用されないよう根本的な変革に着手している。同行の高い基準に適合していなかった顧客の口座は閉じ、現在は強力なコンプライアンス(法令順守)体制ができている」と訴えるとともに、次の言葉が最も思いが今回の暴露により

「スイスのプライベートバンキングの古いビジネスモデルはもはや許容されないことが再確認された」と認めた。

ただ、これまで散々良い思いをしてきてそれが当たり前になっている連中が次の手を準備していないわけはあるまい。

プライベートバンクという名の脱税ほう助業務は新たなステージに突入したとみるべきだろう。

関連記事

アーカイブ