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原油下落「最悪期これから」 英で開幕「国際石油週間」覆う暗い影

石油業界の国際年次総会「IPウイーク(国際石油週間)」が9日、ロンドンで開幕した。毎年IPウイークの一環として、世界各国の石油生産会社や精製会社の関係者が参加して開かれる会議では今年、「原油価格下落の最悪期は終わっていない」との見方が、鮮明に打ち出された。

 原油価格は1月に12年ぶりの安値を付けた後、1バレル=30ドル(約343円)近辺で推移し、原油在庫は過去最高水準に達した。

 こうした中、会議の出席者らは、原油生産量が減少するまでに当初の予想より長い期間を要し、在庫は引き続き増加するとの予測を示した。原油価格が上昇する兆しはほとんどなく、むしろ下落するリスクが高まっているとの見方も出ている。

 米ゴールドマン・サックス・グループの商品調査責任者、ジェフ・カリー氏は、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「価格が10ドル台に下落しても驚かないだろう。過去のサイクルと比較した場合、この市場の最も顕著な特徴は供給面の反応が不足していることだ」と発言。現在の供給過剰は、1998年と99年の石油業界低迷時よりも一段と極端である可能性が高いと指摘した。

 カリー氏によれば、今後原油の需給バランスが安定する水準を模索していく中で、原油価格の変動がさらに激しくなる見通しだ。

独立系石油取引会社最大手ビトル・グループの執行委員会メンバーであるクリストファー・ベーク氏によれば、向こう半年間に生産される原油と石油製品約3億6000万バレル(日量約200万バレル)が、貯蔵に回される見込みのため、世界の石油在庫は引き続き増加する見込みだ。この量はアフリカ最大の産油国ナイジェリアの生産量に相当する。

 石油輸出国機構(OPEC)が市場シェア確保に向け生産水準維持を決定したことをきっかけに、原油価格の下落が始まってから1年余り。原油価格は2014年のピークを70%も下回る状態が続いている。石油関連企業の利益は減少し、配当引き下げや大幅な人員削減を余儀なくされた企業も増えつつある。

 OPECは競合する産油国にダメージを与える狙いで原油価格下落をあえて容認する戦略を打ち出したとされている。しかし、IPウイークに参加したOPEC加盟国の代表者からは、国内の財政悪化によりこの戦略を変更する必要に迫られている兆候は見受けられなかった

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