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DIAM西社長:一部でプラス運用の維持困難も-マイナス金利導入で

「お預かりしているファンドもプラスの運用ができなくなるリスクが出てきている」--。

国内2位の資産運用会社、DIAMアセットマネジメントの西惠正社長は、日本銀行が導入したマイナス金利政策に伴い、長期金利のマイナス幅が0.5-1.0%程度になった場合は、公社債ファンドなどでプラスの運用収益を維持するのが難しくなるとみている。

同社はみずほフィナンシャルグループと第一生命保険が出資する資産運用会社で、運用額は16兆4212億円に上る。

マイナス金利の導入が決定した翌営業日から毎日社内でミーティングを開き、社債金利にも影響しプラス運用ができなくなる事態が出てくるのかどうかを検討しているという。

日銀は1月29日の金融政策決定会合で、国際金融市場の混乱や原油安で物価目標の2%達成時期が遅れるリスクが高まったとして、当座預金の一部でマイナス0.1%の金利適用を決定。
これを受けて国債利回りは低下、9日には年限10年以下が全てマイナス金利に陥ったほか、17日の短期金融市場で無担保コール翌日物がマイナス金利で取引された。
運用会社では短期国債などで運用するマネー・マネージメント・ファンド(MMF)の新規購入申し込み停止や早期償還の動きが広がっている。

西社長は「無担保コール翌日物でどのくらいのマイナス金利が立つのか、立たないのか。ここを見極めないと本当のマイナス金利として下に潜っていくか見えない」という。
現状の金融政策では、「社債などの円建てのクレジット物までがマイナスになるリスクはない」と見込むものの、「日銀がマイナス金利をどのぐらい深くしていくか」次第でプラス運用は難しくなるとの見方を示した。
マーケットへの影響を見極めるには6カ月程度必要とみている。

日本銀行の中曽宏副総裁は12日、ニューヨークのジャパン・ソサエティーでの講演で、金利のマイナス幅拡大は「テクニカルには」可能との考えを示していた。
預金から長期投資へ
マイナス金利の導入により日本経済がデフレから脱却し、2%のインフレに向かう場合は、「貯蓄を考えている人は今まで以上に積極的に投資へお金を振り向けていかないといけない」と指摘する。
15年9月末時点で国内の個人金融資産1684兆円のうち現金・預金は887兆円を占める。

同社ではMMFの取り扱いはないが、投資運用会社としては、これに代わるディフェンシブな商品や、従来以上に長期投資にふさわしい商品がより強く求められてくる。
西社長は、毎月分配型や乗り換えを促す回転型の商品ではなく「じっくりと投資できるようなそうした商品をより増強していく」考えだ。
マイナス金利の導入は、「われわれにとってはポジティブにならないといけないし、そうならないとマイナス金利を入れた意味が出てこない」と語る。
ボラティリティ
現在、投資に向かう動きを妨げている最大の要因は「マイナス金利でも、米国の金融政策でもオイルでもなくて、マーケットのボラティリティ(変動性)」と話す。
この高いボラティリティは利上げ見通しが後退した米国の金融政策と原油価格の下落に起因しており、「米国が上期中に元通りある程度しっかりした経済成長を続けられるのか、正常化に向かうのかが見えてくる」という。
もし米国が正常化に向かっても、マーケットが落ち着けなかった場合は「やはり原油」とし、「オイルが安定してくれないとボラティリティが残ってしまう」と述べた。

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